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消防ホース金具の全国統一規格を望む

 先日、近所の工場で火事があり、市消防本部をはじめ、各分団、地域の自衛消防隊が出動し、消火活動を行おうとしました。工場という場所柄、化学物質等もあり、爆発の心配もあったため、一刻も早い消火が必要でした。近所の民家や保育園等の避難は速やかに終了しましたが、一向に消火活動が進みません。何十台という消防車が道幅いっぱいにかけつけているのにです。理由は各分団ごとにホースのジョイント部分が合わない、型が違うからです。ホースの径は合っているのに金具部分が外れてしまうため、水を通すことが出来ないのです。水圧がかかるジョイント部分を人の手で持つわけにもいかず、何台もの消防車、何人もの消防団員はなすすべもなく、燃えさかる炎を見ていることしかできないのです。
 阪神淡路大震災でも同様のことが起こったと聞いたことがあります。各地から駆けつけた消防車がホースやホースのジョイント部分の不一致で、消したくても消火できない事実がです。
 本来、そのようなことは全国統一の規格にすべきと思います。火事はどこで起こるか分りません。県境、市町村境で起こることも十分に考えられます。
 危機管理がさけばれて久しくなりますが、国民の身近にある消防からこそ、全国統一すべきところは統一して、万が一の場合に備えて欲しいと願っています。まずは調査を始めていただきたいと思います。
(静岡県 主婦 38歳)

回答:消防庁

 火災が拡大した場合などには、隣接の消防本部や消防団相互が消防ホースを結合できなければ消火活動に支障をきたすことは御指摘のとおりです。
 消防ホースの結合金具は、火災現場で十分な機能を発揮できなければならないため、その規格は省令で定められており、2種類の結合金具が規定されています。ねじ式と差込式と言われているものです
。 静岡県内の消防機関が使用している消防ホースの結合金具を調査したところ、県内の消防本部及び消防団では、全て差込式を採用しています。御意見にあった火災現場の状況は確認できませんが、例えば、落下物によって消防ホースが破損したり、消防ホースの結合が不十分のため漏水する場合等には、消火活動を実施しながら消防ホース交換などの対処を余儀なくされます。また、現場の状況によっては、消防ホースを通常とは逆向きに延長する場合があり、この場合には同一形状の金具が向き合うため、媒介金具を使って結合しなければならないことが考えられます。
 媒介金具は、結合方式や口径の異なるホース同士をつなぎ合わせるための消防資機材で、一般に消防ポンプ自動車に装備されています。
 消防機関の消火活動は迅速、円滑に行われなければならず、結合金具を統一することは重要であると考えています。現在、全国の消防本部902本部のうち、ほとんどで差込式を使用しています。ねじ式を採用しているのは5本部となっていますが、差込式への変更を検討しているところが多くなっています。
 このようなことを踏まえながら、消防庁では、これからも各消防機関が連携して消防活動を行う場合に支障が生じないようにしていきたいと考えています。




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